マレット指とは?
マレット指というのは、指の第一関節(DIP関節)が曲がったまま伸ばせなくなっている状態です。
いわゆる突き指というもので起こるケガになります。
マレット指はその原因によって2種類に分かれています。
腱性マレット指
指の先端の骨にくっついている伸筋腱が断裂してしまったことによるもので、そのまま放置してしまうと、指の第二関節(PIP関節)が過度に伸びたままになってしまう“スワンネック変形”を起こしてしまいます。
骨性マレット指
末節骨(指の先端の骨)が関節の中で折れてしまっている状態で、こちらを放置しておくと、関節の脱臼(関節が正しくつながらずズレる状態)を引き起こします。
症状
腱性マレット指の場合
指の第一関節が曲がったままになってしまい、自力で伸ばすことができません。
しかし、痛み自身は少ない傾向にあります。
骨性マレット指の場合
骨折が原因ですので、痛みが生じます。
こちらの場合はある程度は自力で伸ばすことができます。
原因
腱性マレット指の場合
軽い打撲や指をはじくような動作、重いものをもって力を入れた際、軽い突き指でしょうじることがあります。
中年以降に多く、加齢性変化により腱自身が弱くなり切れてしまうと考えられています。
骨性マレット指の場合
バレーボール、バスケットボールなど球技の突き指で生じることが多いです。
また、転倒して地面に手をついた際にも受傷することがあります。こちらは年齢はあまり関係ないです。
治療
腱性マレット指の場合
腱性マレットは、保存治療では確実に治る方法が無いというのが現実の怪我です。
装具による保存療法(安静にする)が基本となります。
第一関節(DIP)を真っすぐに伸ばした状態で固定するマレット装具を装着し、約6週間固定します。
その間に、できる限り腱の回復を待ち、6週後からリハビリテーションで徐々に動かしていきます。
腱の断裂から時間が経てばたつほど、ほぼ自然治癒しなくなるため、腱を骨に植えつける手術をする場合もあります。
もしくは第1関節を伸ばせなくなりますが指を曲げられはするので、美容的には問題がありますが、曲がってしまった状態でそのままあきらめるかということになります。
できることは、腱性マレットを受傷したらできる限り早めに受診し、できるだけ早期から装具を装着するようにしましょう。
骨性マレット指の場合
骨折に対して針金を入れて固定をする手術を行います。
そのため、手術が可能な病院を紹介させていただきます。
逆に骨性マレットは手術加療をすると骨同士はしっかりくっつくので、伸ばせる力が復活することが多く、手術さえすれば治療成績は良いです。
リハビリテーション
マレットフィンガーでのリハビリは、「固定していた第一関節を自分で自由に動かせるようになる」ことが目的です。
ケガで真っすぐに伸ばせないことと、固定によって固まり曲げづらくなったこと両方に対してバランスを見ながらリハビリを行っていきます。
これら運動は少しずつゆっくり行いましょう。
せっかく治ってきた腱が再度損傷しないよう、無理は禁物です。